昨年度は電力自由化関係の仕事をしていました。今年度はどうなるのやら。とりあえず読んでいた本を置いておきます。
本
手っ取り早く内容を理解するには新書から当たるのが良い(ネイティブ・アメリカンのことわざ)ので、新書一冊買って読む。感想はまあそうですかと言ったところだった気がする。すでに内容を忘れている。
次は政府刊行物を読む。なぜかというと、網羅的にそれなりのことが書いてあるはずなので。発電用エネルギーにすると核燃料トラック2個ちょっとがLNG船5個分という図が印象に残っている。ページ数に対して安いのでコスパ良いと思う。 あとは、国が水素エネルギーをプッシュしてる姿勢が分かる。
出版社が電気学会なだけあって、技術・理論寄りの話が載っている。理系の人向け。海外事例もよく載っていて良い。発行が2008年なので、全面自由化はまだ先でしょ、と言ったのんびりした感じの紙面。
これも技術・理論寄り。1冊で電気回路の法則、交流回路、系統、電力自由化の話までしていて、書いた人は大変だったと思う。詰め込んではいるけれど、たとえ話などを駆使して理解を助けようとしている。全面自由化決定後に頑張って書いた感じ。理系の人は上と、この本を読めばほぼOKだと思う*1。
続 2020年、電力大再編−見えてきた自由化後の市場争奪戦− (B&Tブックス)
- 作者: 井熊 均
- 出版社/メーカー: 日刊工業新聞社
- 発売日: 2015/05/21
- メディア: 単行本
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ビジネス寄りの話しかないので、余り覚えていなかった。
同じく余り覚えていなかったけれど、英国の原発も運営が大変と言ったことが書いてあった気がする。
電気新聞*2の人が、電気新聞で出てくる電力自由化関係の用語をまとめたような感じ。わかりやすく、さらさら読める。ただ、制度策定中で記載している箇所もあるので、落ち着いてからもう1回改定して欲しい気もする。
欧州の電力取引と自由化 (電気新聞ブックス―電力自由化シリーズ)
- 作者: 野村宗訓
- 出版社/メーカー: 日本電気協会新聞部
- 発売日: 2004/04
- メディア: 新書
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海外事例が盛りだくさんに載っている。ノルド・プールのオフィスが水力発電所の跡地か何かで、良い環境っていうのが印象に残っている。
タイトルには書いてないけど、だいたいデマンド・レスポンス*3の話。DRはやる人が増えると、電力を高値で買い取ってくれなくなりそうなのな気がしてるんだけど、そこら辺の話が無かったのでちょっと残念。ただ、DRで1冊書いてるって言うのが面白い。
変わり種、第2弾。電力市場で市場支配力*4を監視するための手法が1冊で書いてある。海外の各事業者の報告や論文などをまとめて本にしている感じ。これで1冊書かれているのがすごい。
めっちゃ文系の本なので、読むのが大変だった。白状すると飛ばして読んだ。中のデータ、資料が丁寧に書かれているので良い。エネルギーの経済学なので、電気の他に石油・石炭・天然ガスも載っていてお買い得。もう一回読んだ方が良いと思う。
感想
最近、電力関係のカテゴリの書棚が騒々しい感じになっていると思う。現役の学生さんで、勉強しようと思って本を探しているのに、下手な本に当たってしまうと最悪だと思う。もう一寸、落ち着いて欲しい。勉強したい人は3番目と4番目のを読めば良いと思います。お疲れさまでした。
*1:おすすめがあったら教えてください
*2:http://www.shimbun.denki.or.jp/
*3:供給が逼迫している=電力が高額で売れる時に、需要側の負荷を下げて、下げた負荷を売る仕組み。略称DR。
*4:わざと供給力を落とすなどして、供給逼迫状態にし、電力の市場価格をつり上げるなどの行為をすること