いかたけの備忘録

忘れっぽい

読んだ:「日本版ジョブ型」時代のキャリア戦略 38歳までに身につけたい働き方のかたち

メルカリで700円で買った。

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今37.5歳なのでギリギリ間に合っている感じ。

日本版ジョブ型というのが曲者で、新卒一括採用・定年退職制度という入口と出口は維持しつつ、社内の人事処遇制度をジョブ型に寄せていくというイメージ。人事処遇制度がジョブ型になるというのは、今までだと、上から「○○さんは入社X年目だからボチボチ△△の仕事を経験してもらおうか」といった形から、「ウチの会社は来年度から○○の仕事をやります、つきましては仕事で△△のポジションの人を募集します。要件は~~経験のある人で…」といった感じ。*1

会社に入った人からすると、今までは会社任せだったキャリアを自分ごととして考える必要が出てきているということになります。といっても、この流れは「ジョブ型」云々というより、ここ20~30年ぐらいの人事処遇制度の流れのでもあります。本書でも触れられていますが、近年の人事処遇制度の改定における年功的運用のウェイトを減らしていく流れの1つとして「ジョブ型」が出てきていると捉えた方が、良いように思われます。

日本版ジョブ型が導入されていった後も、若年層については新卒一括採用・入社時研修・ある程度のローテーションが実施され、ここだけではあまり変化は無いように見えます。ただ、中年層になると、自ら志願しない限りは仕事が変わらなくなります。会社が意図的なローテーションをしなくなるので、別の仕事にチャレンジしていって経験値を上げる人と、同じ仕事・職場にいる人に2極分化すると予想しています。会社からするとドンドン挑戦してくれる人の方が有り難いので、そちらは給料が上がり、同じ仕事をずっとしてる人は賃金面では評価を上げづらくなります。

従って、若年層の割と保護の厚い内に経験値を貯めておいて、中年層以降で活躍につなげる、というのが本書ではある種のロールモデルとして提示されています。

当然、ボチボチ働いてボチボチ給料をもらうことも日本版ジョブ型では可能なので*2、どのように生きていくかと、どのように働いていくかを摺り合わせていくのが、これまで以上に重要になってくることとなります。

近年盛り上がっている「ジョブ型」の話について判りやすく解説されているので良かったと思います。

 

*1:内容を適当に要約しているので上記の表現が本書に記載されているわけではありません。

*2:ぼちぼちの給料がどの程度の額なのか、個別の話はおいておく