いかたけの備忘録

忘れっぽい

読んだ:神津式 労働問題のレッスン

梅田の丸善ジュンク堂をうろついていたら見つけたので買った。

www.mainichibooks.com

まず、本書の構成について。前半が民進党*1の分裂。希望の党*2との合流騒動について記載されています。まあなんというか、完全にペースを握られてしまって大変そう…。といった感想でした。後半はサンデー毎日に連載していた内容をまとめたもので、かなりの犬好きということが判ります。

感想としては、正直なところ微妙でした。「労働問題のレッスン」というので職場でのトラブルなどに対する話が出てくるのかな、と思いきや、そういった内容は少しだけで、政治との関わりだったり、家族と犬猫の話だったので肩透かしでした*3

良かったところは3点ぐらいありましたので、引用します。

1.春闘について

昨今は「官製春闘」などという言葉が安易に使われており困ったものである。

労使交渉の現場で実際に苦労している人たちは、はっきり言ってこういう言葉を使い続けるマスコミ人を馬鹿にしている。

2.ストについて

賃金を上げるということは並大抵なことではない。世の中には、今どきの労働組合はストもやらず弱腰だから賃金も上がらないなどという議論もまかり通っているが、これもあまりに皮相的で正直言って話にならない。

徹底した話し合いによって妥協点を見出す今のやり方には蓄積があり根拠がある。

3.発信について

(連合を中心とした労働組合の)民主的労働運動においては、ベストの姿がすぐに実現できなくても(中略)ベターを実現し次につなげていく。はいつくばってでも成果を取る。少しでも前に進むことに価値観を持っている。

このあたりの労働運動の文化が世の中には伝わっていない。連合は、もっともっと社会的な発信力を高めていかなければならない。

連合の発信力は確かに低くて、本屋で労働組合の本を探すと全労連((共産党に近いと言われている(確か、公式ではない筈)))系の出版社:学習の友社の本は沢山あるものの、連合の出している本のようなものはあまり見当たりません。「高めていかなければならない。」と書かれているものの、この状況は出版当時(2018年)から変わっていないように思われます。

あとは自民や共産とは仲良くできないの?といったよくある質問についても説明しているので、気になる人は立ち読みしてみましょう。流石にそれを読むだけで1,000円はチョット高い。

書いてる途中に思い出したんですが、神津さんははてなブログを持っているんだった。これも発信力教化のための取り組みだったのかもしれない。

imoriki.hatenablog.com

やってみてどうだったのか、是非ともどこかで書いてほしい。それこそブログに書いてほしい。

*1:ああ、あったね。そういう党

*2:今どうなってるんだっけ、この党

*3:神津さんのファンの人だったら楽しく読めたのかもしれない