エネルギー関連は多少知っていたけど、レアメタル・レアアース関連は全く知らなかったので勉強になった。レアアースはざっくりいうと半分ぐらい中国が権益を握ってるという状態ということが判った。(本文中に詳しく書かれているので、気になる人は読んでください)
レアアースは石油以上に偏在してて、中でもタングステン(とても固い金属)は中国とミャンマーぐらいしか取れないとのこと。中国の凄いところは鉱山の権益も握るし、加工する技術も20~30年ぐらいの内に身につけているとのこと。欧米が経済的にやらかして投資しなくなったり、資源国の政治体制や人権状況に投資の条件をつけてモタモタしている間にやってきてスピーディーに契約していく。*1
ところでこの本は2021年に出されてて、第二次ロシア・ウクライナ戦争のことは書かれてない。プーチンはエネルギーを使ってうまく渡って行っているという状況。
中国がぼちぼち台湾に侵攻するのでは、とか、その時の日米同盟は、とか、最近はよく騒がれるようになっているけど、ロシアのガスであれだけ騒いで、それよりも多角的な資源を握っている中国と果たして渡り合うことなんてできるのかな、という気持ちになった。
他の注目点としては
- アメリカがシェールガ・シェールオイルによるエネルギー輸出国になったことで中東地域へのコミットメントが減少したこと。
- 産油国サウジアラビアの脱炭素後の世界に向けた生き残り策
- 地中海の天然ガス。イスラエルがエネルギー産出国になるかも。
- レアアース・レアメタルのリサイクル=都市鉱山
などなどです。