序盤が超高速で復習する核物理学という感じ。その後に想定される被害が何を基にもたらされるか、核兵器というと放射線がという危ない気がしますが、熱戦も危ないですよといった解説が続く。核兵器の動作原理の話もあり、最後の章は、国際政治学者の2人との座談会になっており、核兵器を持っている国々の間での駆け引きや軍縮の難しさが語られる。
ちなみに「メートル」が「メーター」と書かれるのが割と気になったんですが、一般紙だとどちらでも良いんでしたっけ。
核兵器の動作原理などの話は「核兵器 普及版」に詳しく記載されているので、少し興味が出た。ただ、5000円を超える大型本なのでオイソレと手が出ない。
こちらは科学史からみた、原子論や原子核、放射線などの発見の歴史を丁寧に書いている。↑の本で超高速で通ってきた箇所を補強するには丁度良い。ただ、原子力が出てくるのが最後の1割にも満たない。原子力の利用についても古典的な断固反対のスタンスでしかなく*1、工学的な取組などはバッサリと切り捨てられている。
丁寧に科学史の発展は追えているけれども、道具としてどのように使われてきたか、そこから何を学んで、この先につなげていくか、といったところが弱いように思われる。
そういえば、同じような感想を以下の読書感想文でも書いた気がする。
割と遠くの歴史を分析・解説するのは良い感じなのに、現在に近づくと説得力が乏しくなっていく所が似ている気がしている。