いかたけの備忘録

忘れっぽい

読書感想文「レッド・アトラス 恐るべきソ連の世界地図」

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ソ連が作っていた英米や日本を含む様々な国の地図について、調べたことが書いてある本。

ソ連崩壊の前後に色々なルートで流出していったのを買い付けて、調査していったとのこと。ただ、流出のさせ方が計画的っぽくて、縮尺の細かい地図は出回らなかったそうである。

今でも地図を作った人(そもそも作った人の名前が書かれている地図と、そうでない地図がある)からの証言がないため、どういう目的で作られたのか、はっきりしたことは分からないらしい。

素人考えでは、記載されている内容のうち特色のあるものが、工場で生産している物品、河川の流速、道路の材料、鉄道が複線か否かや電化されているかどうか、であるので、おおまかには軍事侵攻した後に占領したときに活用するためではないかなと思われました。

上段で挙げた、ソ連の地図に記載されている特色のある項目というのは、衛星写真では判別ができないような項目であって、大使館員あたりの人が足で稼いでいたのではないかとのこと。*1

また、地図の番号の割り付け方が整然としていたり、地図記号やカラーリングの統一が図られていたりと、こう言ってはなんですが真面目な仕事ぶりが垣間見えます。ソ連って真面目に世界帝国をやる気があったんだな、と妙な感想を持ちました。

本の半分ぐらいは地図なので、学校で地理の時間に、先生の話を聞かずに地図帳を凝視していた人にはオススメです。

*1:協力者みたいな人がいるかもしれませんが